分詞とは、動詞が形容詞としての用法を合わせ持つ(分け持つ)ものです。
おそらく、これを見ただけでは訳がわからないと思うので具体例をあげます。
(寝ている赤ん坊は私の弟です。)
上の赤字で示したsleepingは、名詞(baby)を修飾している形容詞です。
その通りです。このsleepは動詞です。
そして、その動詞(sleep)にingがついたことで形容詞になったのです。
これが冒頭で言った動詞が形容詞としての用法を合わせ持つ(分け持つ)という現象を表します。
そして、これと同時に分詞は動詞と形容詞の役割をどちらも持っていると言えます。
分詞は動詞と形容詞の役割をどちらも持っていると聞いて困惑した方もいるかもしれません。
ただ、安心してください。これは状況によって動詞か形容詞のどちらかに一方になるという意味です。
決して、文中でどちらの役割も同時にはたすという意味ではないです。
(実際、そんなことされたら訳す側は大変だわ・・・)
今回の例で挙げたような、形容詞としての役割を果たす分詞は分詞が持つ役割のうちの一つです。
(形容詞としての用法)
ではその他の分詞の用法は何か?
そして分詞とは一体何なのか?
具体的に今から分詞を見ていきましょう!!
分詞には大きく二つある
分詞には「現在分詞」と「過去分詞」の二つに分けられます。
それでは、それぞれ解説していきます。
現在分詞
現在分詞とは、冒頭の例にあげたような動詞にingをつけたものを指します。
そして、現在分詞の用法は以下の3つです。
・進行形の時に使われる
・形容詞として使われる
・分詞構文として使われる
それでは一つ一つ見てきましょう。
①進行形の時に使われる現在分詞
進行形とは、中学1年生に習う例のingが付くアレです。
(彼はテニスをしている。)
このように進行形を表現する際に何気なく使っていたingは、実は現在分詞だったのです。
ちなみに、ここで使われている現在分詞は動詞の意味を持っています。
次は形容詞として使われる現在分詞です。
②形容詞として使われる現在分詞
これは冒頭で例に挙げた用法です。
(寝ている赤ん坊は私の弟です。)
ちなみに、この例を少し進化させてみると・・・
(ベッドの上で寝ている赤ん坊は私の弟です。)
このようにベッドの上で寝ているのように複数語で修飾すると、分詞の位置が移動します。
ここはTOEICなどでは確実におさえておきたいポイントで、単体で修飾する場合は名詞の前に、複数語で修飾するときは名詞の後ろから修飾します。
そして、最後は分詞構文です。
③分詞構文として使われる現在分詞
この説明をする前に、そもそも分詞構文って何?って話ですよね。
(もし分詞構文くらい知ってるよ!!という方はジャンジャン飛ばしちゃってください)
分詞構文とは、分詞が導く副詞句が、文全体の修飾などを行う構文のことを指します。
訳がわからないと思うので、具体例を出します。
(次の角を左に曲がると、駅に着きます。)
このように、「駅に着きます」という文を「次の角を左に曲がると」で修飾していますね。
その通りです。これは元の文章が省略されてこうなったのでおかしく見えます。
では、元の文は何かというと、それがこちら。
(次の角を左に曲がると、駅に着きます。)
これが元の文章です。
これで違和感はないと思います。ただ、この文章はyouを二回使っていたりしてもっと短く省略できそうです。
(このように短い方が楽だし省略しちゃえ!!という思いがおそらく分詞構文ができた発端)
その結果が・・・
(次の角を左に曲がると、駅に着きます。)
この文章です。
これが分詞構文で、ここに使われているのが現在分詞です。
以上が、現在分詞の3つの用法です。
それでは、分詞が持つあと一つのパターンである過去分詞を見ていきましょう!!
過去分詞
現在分詞に続いて、この過去分詞は一体どういう意味を持っているのでしょうか?
過去分詞は動詞にedをつけたものを指します。(不規則変化で異なる場合あり)
そして過去分詞の用法は4つあります。
・完了形の時に使われる
・受動態の時に使われる
・形容詞として使われる
・分詞構文として使われる
それでは一つ一つ見ていきましょう!
①完了形の時に使われる過去分詞
完了形は、あのhaveを使った例のアレです。
(私は仕事を終えた。)
この完了形に使われているものは実は過去分詞だったのです。
ここでは分詞は、動詞の役割を果たします。
では、続いては受動態です。
②受動態の時に使われる過去分詞
受動態もお馴染みのisを使った例のアレです。
(私は必ず戻る!!)
この文を見て、「おい!!edが着いてないじゃないか!!」と思った方は少なからずいると思います(ここは素直にごめんなさい。)
ただ、最初に、過去分詞はedがつく(不規則変化あり)と記しました。今回はその不規則変化が適用された例です。
ちなみに不規則変化する動詞は決まっています。一覧はこちら『不規則動詞wikipedia』をご覧ください。
このように受動態で使われているものは過去分詞です。
ここでも分詞は動詞の役割を果たします。
③形容詞として使われる過去分詞
そして、やってきました。
この用法が過去分詞で押さえていただきたいところです。
ここでは形容詞の役割を果たす過去分詞を紹介します。
下の文章はこれを使った例文です。
(その壊れたドアは修理する必要がある)
この赤字で示した部分「過去分詞」は名詞(door)をきちんと修飾していますね。
このように過去分詞は形容詞としての役割も果たします。
(ん?何やら向こうが騒がしいな?)
この疑問は絶対に解決すべきもので、この使い分けは英語を使う中で絶対に必要です。
この疑問を持っている方は、先にこのページ下部にある「現在分詞と過去分詞の使い分け」をご覧ください。
④分詞構文として使われる過去分詞
分詞構文は先ほどの現在分詞で説明した通りです。
そして、先ほどの現在分詞が過去分詞に変わっただけです。
現在分詞と過去分詞の使い分け
ここでは形容詞として機能するときの現在分詞と過去分詞の使い分けを解説します。
先ほど書いた疑問はこれでした。
The broken door needs to be repaired.
(過去分詞でdoorを修飾している)
The breaking door needs to be repaired
(現在分詞でdoorを修飾している)
それでは、実際に解説していきましょう。
この過去分詞で修飾するときは、修飾する名詞が受動的になります。
doorという名詞がbrokenされる受け身状態となり、broken doorが「ドアが壊された→壊されたドア」という意味になります。
ここまで聞いてもまだわからない人は次の現在分詞の例も見てください。
では、過去分詞は受け身でしたが、現在分詞はどうなのか?
この現在分詞で修飾する際は、修飾する名詞が能動的になります。
doorという名詞が自ら能動的にbreakingする。つまり「ドアが壊す→壊すドア」という意味になります。
ここで後者の現在分詞を用いると「壊すドア」という意味になって現実的にありえないですよね。
だから、今回の例は過去分詞を用いて「壊されたドア」を使った文章が正しくなります。
The broken door needs to be repaired.
(その壊れたドアは修理する必要がある)
こっちが正解。
対して、現在分詞を使用した文章は・・
The breaking door needs to be repaired.
(その壊すドアは修理する必要がある)
現実的にありえないので、文章として間違っている。
これで現在分詞と過去分詞の使い分けを分かって頂けましたでしょうか??
念のためにもう一つ例を出して終わりにしましょう。
(日本で作られたお菓子は美味しい)
これはmakingかmadeどちらが入るでしょうか?
・・・・・
実際に順を追って考えてみましょう。
もし現在分詞のmakingを用いると、「お菓子が作る→作るお菓子」となります。
なんかおかしいですね・・
では、過去分詞のmadeをみてみます。
こちらは「お菓子が作られる→作られたお菓子」となって意味が通じます。
なのでmadeの過去分詞が正解ですね!!!
どうでしょうか??
これで分詞の意味と現在分詞と過去分詞の使い分けがお分かり頂けましたか??
このサイトでは、他にもじゃんじゃん英文法について解説してるので、ぜひ他の記事も見てもらえるとありがたいです♪